ユダヤ人 なぜ、摩擦が生まれるのか
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によって ヒレア・ベロック
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内容紹介 日本ではほとんど知られていないが、ロシア革命はユダヤ革命といってもいい革命で、少なくとも当時の西欧では、そのように受け止められていた。レーニンの母親がユダヤ人、トロッキーも、革命に参加したボルシェビキの大多数もユダヤ人で、その多くはアメリカから駆けつけた人たちだった。しかもロマノフ王朝の人々を殺して、その財産をオークションにかけ、大もうけしたのもユダヤ人であり、第一次世界大戦で、対立する両陣営に武器を売って大もうけしていたのもユダヤ人だった。 こうした時期に書かれた本書がユダヤ人の脅威を訴え、著者の意に反して後世「反ユダヤの書」と呼ばれているのは確かだが、著者の意図は、この放っておけば危険なユダヤ問題に適正に対処するためには、どうしたらいいかを考察することにあった。 古来、ユダヤ人と非ユダヤ人との接触の歴史は、「移住→初めは親和→違和感→反目・憎悪→迫害・追放→移住」のサイクルを、時代と土地を変えて延々と繰り返してきた。著者はこれまでの摩擦の原因、その問題点と解決法を、ユダヤ人の立場と非ユダヤ人の立場で考察する。 特にイギリスでは、長年、ユダヤ人問題は存在しないという立場を取ってきたが、著者はそのような「偽善的自由主義」は早晩行き詰ると警告し、非ユダヤ人の側は、ユダヤ問題が存在するという事実を直視し、ユダヤ人をほかの黒人やシナ人と同じように扱うことの必要性を説く。またユダヤ人に対しては、秘密の護持、選民意識・優越感の表明をやめるよう訴える。 さもないと、ユダヤ問題は近いうちに、もっとも悲惨な結末を迎えるであろうと、20年後のホロコーストを予言するような発言もしている。 当時の西欧では、ユダヤ人の金融支配、マスコミ支配が公然の秘密となっており、反発が限界近くに達していた。このような状況は、実は100年近くたった今も、まったく変わっていない。100年前のベロックの問いかけと警告は、現代でもそのままそっくり通用するものである。 出版社からのコメント 「現代国際社会を読みとく必読書! 」(渡部昇一氏) 『紫禁城の黄昏』以来、渡部昇一・中山理両氏の監修・訳による、本邦未訳の古典的名著を紹介するシリーズの第5弾。 1922年、イギリスで発行され、問題の書として論議をよんだ名著の本邦初訳。なぜ、ユダヤ人が行くところ、摩擦が生じるのか――ユダヤ人、欧米人、双方の問題点を摘出し、和解策を模索した労作だが、著者の意に反して、本書は長らく「反ユダヤ本」と呼ばれた。だが本書はユダヤ人の金融支配、その秘密主義、優越感の誇示が、近い将来、大きな不幸を招くことは必定であり、いまのうちに解決する必要があると訴える。それはヒトラーが政権を奪取する10数年前のことだった。国家主義とグローバリズムとの相克、移民の受けいれなど、本書で扱ったテーマは、いまでもそのまま残り、本書の意義は、いささかも揺らいではいない。 内容(「BOOK」データベースより) 金融支配、国家主義とグローバリズムの相克、移民問題、ホロコーストを予言。待望の本邦初訳。 著者について 著者:ヒレア・ベロック (1870~1953)フランス人弁護士の父と、イギリス人の母との間にパリで生まれるが、翌年の普仏戦争勃発でイギリスに移住。一時はフランスの軍隊に入るが国籍を仏から英に移す。オックスフォード大学卒後、自由党の下院議員として活動。やがてジャーナリズムに身を移し、チェスタートン兄弟(弟は祥伝社刊『アメリカ史の真実』の著者)と協力して政界批判を展開したことで知られる。主著に『奴隷の国家』(1912)、『ヨーロッパと信仰』(1920)。 訳者:中山理(なかやま・おさむ)麗澤大学学長。英文学者。訳書に『完訳 紫禁城 の黄昏』『在支二十年 戦前のシナと日本』『アメリカ史の真実』『原勝郎博士の日本通史』(いずれも祥伝社)など。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) ベロック,ヒレア 1870年、フランス人弁護士の父と、イギリス人の母との間にパリで生まれるが、翌年の普仏戦争勃発でイギリスに移住。一時はフランスの軍隊に入るが、1902年イギリスに帰化。オックスフォード大学卒後、自由党の下院議員として活動。やがてジャーナリズムに転じ、チェスタトン兄弟(弟は祥伝社刊『アメリカ史の真実』の著者)と協力して政界批判を展開した。1953年没 中山/理 1952年、三重県生まれ。上智大学大学院英米文学専攻博士後期課程修了。エディンバラ大学留学。現在、麗澤大学教授(学長)。博士(上智大学・文学) 渡部/昇一 1930年、山形県鶴岡市生まれ。上智大学名誉教授。英語学・言語学専攻。1955年、上智大学大学院博士課程修了後、西ドイツのミュンスター大学、オックスフォード大学へ留学。1971年より上智大学教授。1994年、ミュンスター大学より名誉哲学博士号を授与される。専門分野のほか文明、歴史批評においても多数の著書がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 続きを見る
以下は、ユダヤ人 なぜ、摩擦が生まれるのかに関する最も有用なレビューの一部です。 この本を購入する/読むことを決定する前にこれを検討することができます。
本書は1922年に出版された、主に西ヨーロッパにおけるユダヤ人問題についての考察である。第一次世界大戦はすでに終り、しかしドイツにナチスが台頭するよりは前という時代、現在とは違う状況もあろうし、また、日本に於いてはユダヤ人問題は現在に於いても西洋世界ほど顕著なものにはなっていない。それでも、この本の内容は大変に興味深い。本当は問題があることが分かっているのに、かくかくしかじかの理由から問題がないかのように振る舞う、そういう態度に対する考察として、現代の日本人が読んでも参考になるところが多いと思った。以下、抜粋矛盾を一致させようとする政策や理論をして「感情的」と呼ぶ。感情的な人間は、犯罪を毛嫌いするが、必要な処罰も同じように毛嫌いするだろう。無秩序を嫌うが、組織化された警察も大嫌いだろう。人生は死が訪れないものと思いたがる。性的な葛藤を伴わない愛の情熱について書いたものを読みたがる。巨万の富が貪欲や狡猾や窃盗行為なしに蓄積されたと書いたものを読みたがり、そう考えたがる。相互に矛盾するものから成る、ありえない世界を想像したがる。そうすれば心地よいからである。抜粋、以上大手メディアでもてはやされる類の知識人と称される者たち、あるいは幾人かの政治家の顔が思い浮かばないだろうか。本書は題名の通りユダヤ人問題について書かれたものであるが、ある種の問題についての真摯な考察として、とても読み応えがある。ユダヤ人問題についての詳しい著述それ自体も勿論興味深かったが、それに劣らず著者の真摯な考察の姿勢にもいたく感じ入った。しかし、残念ながら著者の警告は今日に至るまで全く活かされることが無かったという事実も、こうした問題とは結局はそういうものだ、という人間社会の現実を認識するに際し、心しておくべきところだろうと思われる。読みながら、現在の日本において、問題の対象はユダヤ人ではないが、似たところのある状況が進行しつつあることを意識せざるを得なかった。さて、本書は翻訳書であるが、正直、あまり読みやすい日本語とは思えなかった。翻訳者の方は極力正確な翻訳を心がけたのだと思うが、それゆえ、読みながらどういう原文を訳してこういう日本語になったのだろうかと始終気になり、最初から原著の英語版を読めば良かったと思ってしまった。(英語の原著はKindle版なら何と100円で読める)ただ、この日本語版には現代の日本人が読んで分かりやすいように豊富な注意書きが添えられており、これはありがたかった。
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